脳血管障害(脳卒中)

脳卒中は脳血管や脳を栄養する血管の病変により、脳実質になんらかの障害が発生した疾病で急性あるいは亜急性の症状が出現し半身不随、失語、意識不明、など、病変部位により様々な症状がある。

脳内出血、動脈硬化などからくる脳梗塞、脳血栓、脳塞栓、脳血管の痙攣など様々な病態があり一過性の虚血発作も含めるとかなりの脳血管障害がある。

鍼灸は救急医療に用いられる事が中国では多いが日本では後遺症にたいして用いられる。

脳内出血は50歳以上の高血圧に多く、急激に発病して重症となる。最初に激しい頭痛、めまい、吐き気、半身不随が起こり、昏睡となる。脳梗塞も高齢者に多発し、急激な脳の血液供給不足から半身付随や失語などが発生する。

本病にたいする鍼灸治療は一般には回復期や後遺症にたいして使うが、急性期でも使うこともある。急性期に鍼灸治療をして危険状態から脱した臨床症例は50年代より始まり、60年代にはかなり多く見られる。

70年代になり頭鍼治療が始まってから特にここ数年以来は様々な穴位療法が見つかり、治療効果も格段に上がったと言える。脳血管障害の治療は現代医学とも連携をとり、常に総合的な見知で治療をしなければいけないが、有効率は60%前後であり、脳梗塞に至っては90%くらいの有効率がある。

また前大脳動脈と中大脳動脈に梗塞がある場合は効果が高く、椎骨動脈や脳底動脈の梗塞は効果はあまり高くない。

脳卒中の治療時期は治療開始時期が重要でいかなる脳卒中であれ開始時期は早い方がいい。また最近は脳卒中で起こった精神障害や、知的障害にも効果が高いことがわかってきた。

鍼灸は脳卒中の脳部の血液循環量を増大させ、脳組織の酸素分圧を高めて病巣周辺の栄養供給を含めて改善する。
脳代謝の賦活の可能性があると言える。

治療——————–

脳出血の場合は4週以降の安定した状態において。

●電気針
主穴:水溝 内関 三陰交
配穴:合谷 足三里 太衝 委中 極泉 風池 えい風

治療方法——————–
両手の内関に1~1、5寸直刺して、挿入と捻転を繰り返し併用して瀉法で1分運鍼する。次に水溝を鼻中隔の下に向けて0、5寸斜刺して雀啄法(鍼を1ミリ単位で上下させる)目から涙がでるか、、眼球が潤う程度に雀啄する。さらに三陰交に斜め45度で針先を後ろに向けて1~1、5寸くらい斜刺して患者さんの下肢がぴくっと動くと良い。極泉も同じように斜め45度で上肢がぴくっと動くくらいになるくらいまで刺激する。

治療の時は血圧をはかり、あまり高血圧のときは手技をしない。
脳内出血は一般に弱刺激で行う。

治療効果——————–
:著効 治癒 意識が正常で言葉もはっきりしていて、身体の機能もほとんど回復している。
著効 意識が正常だが言葉や上肢、下肢の回復に不完全な部分がある。
好転 病状がいくらか好転し意識 言葉 上下肢の機能もある程度改善

54例を治療して
治癒28例(51、8%)
著効 15例(27、8%) 
好転11例(20、4%)

●—-脳内出血 (急性期)—-

本法は日本ではあまり治療する機会がないとはいえ、中国では頻繁にあるので理解しておく必要があると思う。

主穴:風府 亞門
配穴:意識障害には脳清 百会 人中 高血圧には曲池 太衝 大小便の障害には秩辺 陰陵泉 三陰交を加える。

脳清穴の位置 :脛骨縁で解谿穴の上2寸

治療方法——————–
主穴を主として症状に応じて配穴を加える。刺鍼して得気があればよい。
一般に得気があれば、そのまま15分程度置鍼する。
もし閉証ならば、三稜鍼で井穴を点刺刺絡する。
脱証ならば棒灸で足三里と気海に灸をする。

治療効果——————–
:著効 46例を治療し治癒15例 著効8例 有効15例 死亡8例

●—-脳梗塞—-
主穴:内関 水溝
配穴:極泉 委中 三陰交 尺沢 風池 えい風

治療方法——————–
まずは主穴をとり病状の程度や特徴的な症状にもとづいて配穴を加える
操作方法は脳出血安定期とほとんど同じである。
毎日1回治療して10日で1クールとする。

治療効果——————–
:著効 本方法は醒脳開竅法と呼ばれる方法である。
(脳を覚醒させて五官の竅を開いて蘇生させる方法。
急性脳梗塞と後遺症患者617例を安定期の基準で判定すると、
治癒率59、3% 有効率は99、4%だった。

有効率 83、6%。

●—-脳梗塞2—-
主穴:百会 肩ぐう 曲池 外関 合谷 陽陵泉 絶骨 勇泉
配穴:足三里 太衝 豊隆

治療方法——————–
毎回4~5穴の主穴をとり、配穴を1~2穴組み合わせる。
捻転を加えた後に平補平瀉で置鍼する。

治療効果——————–
:著効 69例を治療して有効率92、31%~93%

●—-頭鍼—-
主穴:運動区 感覚区 足運感区

治療方法——————–
常に2~3区は使うが、すべて運動麻痺側の肢体と逆の区を使う。刺激区を選んだら患者の頭髪をかき分けて消毒後に頭皮に沿わせて刺鍼する。
できるだけ患側の肢体に痺れがでるようなくらいまで15分~20分程度置鍼する。

治療効果——————–
:著効 急性脳梗塞1400例を上海中医薬大では治療。
有効率は94、7%~98、5%

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